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小林よしのり
2015.9.28 00:30政治

学級民主主義は無力である


国民主権、国民主権と連呼する奴のことを「学級民主主義」と言う。

「外交のみで仲良くできます」「お話し合いで解決です」という

お花畑の奴を「学級民主主義」と言う。

学校教育で教わる民主主義なんて、実際の政治の中では何の役にも

立たない。

 

民主党の議員が若者デモ隊の中でアジテーションしていた姿は、

わしをガッカリさせた。

特に蓮舫は美人なのにあんな険しい顔をしてはいけない。

「朝ナマ」でも民主党議員が従米派の意見を聞いて、たびたび

「与党がそのように明確に言ってくれれば、議論になったはず」

と言っていたが、あれも「学級民主主義」である。

 

権力者はいかに国民を誤魔化して違憲法案を通すかという詐欺を

行っているのだ。

言論人なら本音を語れるが、国会で与党議員が詐欺のボロが出る

ような答弁をするはずがない。

それでも安倍首相自らが次々にボロを出していたのだが、

ボロを出しても居直る権力者の姿はこれまで何度も見てきた。

プロならば、それでも国会で詐欺師を倒すしかない。

国会議員の「現場」は、国会であり、国会の外でアマチュアと

混じってしまったら、プロ失格だ。

 

来年の参院選で、安保法制の「廃案」を公約にして、若者デモと

共闘するなどと言い始めるのも「学級民主主義」である。

わしとて従米法制は反対していたが、主権をあずけた議員たちが

負けたのなら、負けは負けだ。

この国は直接民主制ではない。

今回の安保法制は憲法問題だと言っても、与党が合憲と言って

いる以上、国民投票なんかできるはずがない。

 

民主党が「学級民主主義」のアマチュア意識を捨てて、権力を

奪取するためにもっと狡猾な政党に生まれ変わる必要がある。

わしは民主党支持者ではないが、小選挙区制では、自民党と

民主党が政権交代の可能性がある緊張感で拮抗させておかねば

ならないと考える。

 

世論を無視する安倍首相の「決断主義」が、なぜ今の国民に

決定的な反発を生まないのか?

国民の反対意見が否定されたのに、内閣支持率がすぐ浮上して

しまう矛盾について、民主党は真面目に考えた方がいい。

 

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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